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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第21章 《巻の参―秘密―》
「はい、大変お元気そうでいらせられました」
「そうか」
 泰雅が顎を引く。
 と、泰雅が立ち上がった。空を振り仰ぎ、呟く。
「今宵は灰月か」
 夜陰にひっそりと溶けてゆくような、低い呟きであった。
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