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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第21章 《巻の参―秘密―》
一抹の抵抗はあったが、父の言おうとしていることや父なりの心遣いは子ども心にもよく理解できた。それゆえ、当時少年であった泰雅は即座に父の意を汲み、その教えを守り今日まで生きてきた。
―将軍家跡目争いに巻き込まれる―。
父の言葉の中で、ふと訝しく思えたその一部分もやがて時の流れの中で、泰雅の記憶の底へと沈んでいった。泰雅がその言葉の重要性と存在を再び思い出したのは、それから六年後のことだ。既に唯一の理解者であった父泰久は亡くなっていた。
―将軍家跡目争いに巻き込まれる―。
父の言葉の中で、ふと訝しく思えたその一部分もやがて時の流れの中で、泰雅の記憶の底へと沈んでいった。泰雅がその言葉の重要性と存在を再び思い出したのは、それから六年後のことだ。既に唯一の理解者であった父泰久は亡くなっていた。