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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第21章 《巻の参―秘密―》
「二人共に髪に白いものが混じっても、か?」
「はい、殿がおじじさまになり、私がおばばさまになっても」
 泉水が笑いながら応えると、泰雅も笑った。
「そうか」
 泰雅が小さく頷いた。
 二人は縁側に並んで座り、煌々と輝く丸い月をいつまでも眺めていた。
 静かな時間が二人をゆったりと包み込み、流れてゆく。言葉は要らない。ただ、互いが側にいれば、手を伸ばしてその温もりを感じられたら、それだけで十分だった。
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