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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
 泉水は夢中で首を振った。
「違う、あなたは、あの男(ひと)じゃない。私のよく知るあのひとは、あなたみたいな男じゃありません」
 下卑た視線で泉水を品定めするように無遠慮に見つめてくる男、この嫌らしげな眼はひと月前、秋月家の息子が泉水に向けていたのと同質のものだ。己れの欲望を満たそうとしか考えてはおらぬ飢えた獣の眼だ。
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