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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第23章 《巻の壱―夢―》
このようなことは言うまいと思うておったが、どうもそなたは幾度膚を合わせても、俺と閨を共にするのがあまり気に進まぬ様子であった。恐らくはその原因は、今のそなたの気持ちから兆していたものであろうな」
「申し訳ございませぬ。私は、私は―」
 泉水の眼に涙が滲んだ。よもや泰雅に気付かれていたとは考えてもいなかった。泉水はどうしても、泰雅の夜伽を務めるのが苦痛でならなかった。泰雅のことは大好きなのに、心から愛しているのに、泰雅を受け容れることに何とはなしに抵抗を感じてしまう。
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