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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第23章 《巻の壱―夢―》
「もう、知りませぬ。殿がそのように意地悪をなさるおつもりならば、私は―」
 言いかけた泉水を、泰雅がそのまま夜具の上に押し倒す。
「うん、どうするというのだ? また、いつぞやのごとく実家に帰るか? それとも、もう、このような意地悪な男とは二度と閨を共にせぬと突っぱねるか? フラれた哀れな男は、菓子を貰えぬ犬のように指をくわえておらねばなるまいて」
 泉水の上に覆い被さった泰雅が悪戯っぽく言った。
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