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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
 男は、一人で脳天気なことをまくしたてている。どうも思考が今一つ尋常ではないらしい。単なる自惚れの強いだけの男なのか、それとも根っからの気狂いなのか、泉水には判じ得ない。いずれにしても、あまり関わり合いにならぬ方が良いと判断し、踵を返しかけたときのことである。
「おっと、ちょいと待ちな」
 突然、手を掴まれ、泉水はギョッとして振り向いた。
「姐さん、私の夢札は要らないかえ?」
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