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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
 泉水は手の上の札を改めて見つめる。藤の樹の下で寄り添い合う家族の姿が描かれていた。親子なのか、若い両親と幼い女の子がそこにいた。咲き誇る藤の花と微笑み合うひと組の親子。
 その絵を見た時、咄嗟に、これは泰雅と自分、それにいずれ近い中に生まれてくるであろう我が子を暗示するのかとも考えた。もし、それが真ならば、いかほど嬉しいことだろう。
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