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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
 一人で呟き、木の札を懐におさめると、再び歩き出す。夢五郎の言葉を頭から信じたわけではない。むしろ、半信半疑であった。
 夢や占いなぞというものは、婦女子の信じるものであって、泉水はそんな迷信はあまり信じない方だ。神仏に対する信仰心はそれなりに持ち合わせてはいるものの、理屈や論理で割り切れないことは、大方はまやかしや偽物であると考えている。だが、あの夢五郎の言葉には、どこか聞く者を吸い寄せるような、その気にさせてしまうような魔力めいたものがあった。
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