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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第3章 《巻の弐―運命の悪戯―》
「下手に干渉し合うたりせず、互いに好きなように別々に暮らした方がいっそ良いのではないかと考えていた。嫁いでからのそなたの生き生きとした暮らしぶりを見る限り、俺の考えが間違っていたとも思えぬのだがな」
泉水は唇を噛んだ。悔しいけれど、何も言い返せない。泰雅の言うことは多分、正しい。
泉水は泰雅の訪れがないことを少しも淋しいとも残念だとも思わなかった。良人から見向きもされぬお陰で、槇野の実家で暮らしていたときと変わらない気随気ままな生活ができるとむしろ内心歓んでいたのだ。
泉水は唇を噛んだ。悔しいけれど、何も言い返せない。泰雅の言うことは多分、正しい。
泉水は泰雅の訪れがないことを少しも淋しいとも残念だとも思わなかった。良人から見向きもされぬお陰で、槇野の実家で暮らしていたときと変わらない気随気ままな生活ができるとむしろ内心歓んでいたのだ。