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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
団子の方はやはり薄紅色で、餡などは一切入っていない。それなのに、ほのかに桜の香りが漂い、ほんのりとした甘さが漂っていて、こちらも絶品である。むろん、団子も老婆が作っている。
泉水に勧められて、おつやは桜餅を平らげた後は、団子に手を伸ばす。ひと口かじって、これにも笑顔で〝美味しい〟を連発した。
あまりに急いで食べて、途中でむせてしまったおつやの背を泉水は撫でてやった。
「これを呑んだら良いわ」