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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第24章 《巻の弐―夢を売る男―》
そのために、母にもう一度だけ逢わねばならない。六歳の幼子は、自分を置いて出ていった母親を探し、江戸の町を一日中歩き回っているのだった。叔母たちには、仲良くなった友達と遊んでいるのだと言って、ごまかしている。優しい叔母や叔父に嘘をつくのは申し訳ないと思ったけれど、それも母に逢えるまでのことだと自分で自分に言い訳していた。
「それで、おつやちゃんは、おっかさんに今一度逢いたいと思ってる、そういうわけなのね」