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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第25章 《巻の参―真(まこと)―》
探索は、毎日のように続けられた。
おつやの小さな手を引いて、脚を棒にして一日中歩き回っても、何の成果も手がかりもなく、日は空しく過ぎてゆく。
二人で探し始めて数日が経ったある日のことだった。夕刻、おつやが急に道端で立ち止まった。探すとはいっても、殆ど闇雲に探し回っていると言った方が良いのだ。おはるの交友関係は、かつて奉公していた縄暖簾の朋輩に限られており、他にどのような人物と拘わりがあったのかまでは掴めていないのである。
おつやの小さな手を引いて、脚を棒にして一日中歩き回っても、何の成果も手がかりもなく、日は空しく過ぎてゆく。
二人で探し始めて数日が経ったある日のことだった。夕刻、おつやが急に道端で立ち止まった。探すとはいっても、殆ど闇雲に探し回っていると言った方が良いのだ。おはるの交友関係は、かつて奉公していた縄暖簾の朋輩に限られており、他にどのような人物と拘わりがあったのかまでは掴めていないのである。