この作品は18歳未満閲覧禁止です
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第25章 《巻の参―真(まこと)―》
―あなたは、おつやちゃんのおっかさんのおはるさんですね? おつやちゃんがあなたを探しています。どうか一度で良いから、おつやちゃんに逢ってあげてくれませんか。
泉水が頭を垂れると、おはるは強ばった顔で一方的にまくしたてた。
―私は確かにおはるといいますが、私におつやなんていう娘なんぞいませんよ。私の産んだ子は、この子だけですから。
おはるは、そう言うと、よしよしと背中の泣き喚く赤子を揺すり上げた。