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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第25章 《巻の参―真(まこと)―》
やりきれない想いに耐えかね、無意識の中に足許の小石を拾い上げ、川面に向かって投げていた。屈み込んだ拍子に、懐から何かが落ち、地面に当たる音がした。何だろうと訝しみ、急いで拾ってみる。ほのかな月明かりに照らしてみると、それは、小さな木札であった。数日前、夢五郎と名乗る夢売りから貰った夢札である。
この数日間というもの、おつやの母親探しに追われていて、すっかり夢札のことを忘れていた。もう一度、改めて夢札を眺めてみる。
この数日間というもの、おつやの母親探しに追われていて、すっかり夢札のことを忘れていた。もう一度、改めて夢札を眺めてみる。