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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第25章 《巻の参―真(まこと)―》
その時、泉水の中で閃くものがあった。
「ねえ、夢五郎さん。冗談はそれくらいにして、訊きたいことがあるの」
「いやー、今のは冗談なんかじゃないよ。本気も本気、何たって、姐さんは、私を女性に目覚めてさせてくれた恩人でもあり、初恋の女(ひと)でもあるんだからね。冗談なんて思われちゃア、哀しいなぁ」
全く、どこまで本気で、どこまで冗談なのか判らない。でも、こんなところは、やはり泰雅に少し似ているような気もする。