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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第29章 《巻の壱―すれちがい―》

むろん、石につまずいた、友人とした、ささやかな賭けに敗れた、ちょっとした夏風邪を引いた―そういった日常と日常の狭間に埋没するような小さな災難なら数限りなくあるし、誰でも遭遇するものだ。ここで言う予期せぬ出来事というのは、その程度のものではなく、遭遇した人の一生すら根本から変えてしまうほどの大きなものである。
だが、残念なことに、私たちは、その大きな災厄が実は初めは、ちょっとしたことが引き金となって起こり得るのだということに気付かない。
だが、残念なことに、私たちは、その大きな災厄が実は初めは、ちょっとしたことが引き金となって起こり得るのだということに気付かない。

