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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第4章 《参の巻―囚われた蝶―》
 どうやら夢を見ていたようだ。ひそかに想いを寄せていたあの男が良人榊原泰雅であったという過酷な事実を知り得てから、まだ丸一日も経ってはいない。
 泣き疲れて眠ってしまった泉水が再び目覚めたのは、既に夕刻であった。それから時橋が運んできた夕餉にも殆ど手を付けず、湯浴みを終えた後は早々と床に入った。
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