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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第29章 《巻の壱―すれちがい―》
泉水がそんな風に生まれついたのは、全く不幸な偶然としか言いようがない。が、それにしても、泰雅が泉水を求めるのもまた、尋常ではない。元々、家臣たちの眼をそばだてるほどの寵愛であったのが、次第に度を超して、最早誰が見ても狂っているとしか言いようがない溺れぶりだ。
お家にとって当主夫妻の仲睦まじいのはけして悪しきことではない。むしろ歓ぶべきはずだが、最近の泰雅のあまりに度を超えた泉水への執心には、流石の重臣たちも眉をひそめていた。
お家にとって当主夫妻の仲睦まじいのはけして悪しきことではない。むしろ歓ぶべきはずだが、最近の泰雅のあまりに度を超えた泉水への執心には、流石の重臣たちも眉をひそめていた。