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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第31章 《巻の参―新しい生活―》
―姫さま、また、そのようなところにおいでになられて。一体、幾度同じことを申し上げたら、お判りになられるのですか? あれほど木登りなどなさっては危ないと申し上げたでございましょう。
誰はばかることなく木に登れるのは良いけれど、時にはああやって口うるさく言ってくれる人が傍にいないのは辛い。本当に自分は一人ぼっちなのだと孤独をひしひしと感じる。
その時、唐突に下から叫び声がして、泉水は我に返った。