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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第31章 《巻の参―新しい生活―》
泉水が真剣な面持ちで言うと、篤次の陽に灼けた精悍な顔がうっすらと染まった。
「あ、いや―。その、何だ、いつもは、跳ねっ返りの女先生がそんな風にしおらしいと何だか俺まで調子が狂っちまうじゃねえか」
篤次が素っ頓狂な声を上げる。あからさまに礼を言われて、照れているのだろう。どのような反応をしたら良いか判らず、冗談に紛らわせようとする篤次を泉水は微笑して見ていた。
泉水は、ここに来た理由にしろ、自分の身許など一切を篤次に話してはいない。
「あ、いや―。その、何だ、いつもは、跳ねっ返りの女先生がそんな風にしおらしいと何だか俺まで調子が狂っちまうじゃねえか」
篤次が素っ頓狂な声を上げる。あからさまに礼を言われて、照れているのだろう。どのような反応をしたら良いか判らず、冗談に紛らわせようとする篤次を泉水は微笑して見ていた。
泉水は、ここに来た理由にしろ、自分の身許など一切を篤次に話してはいない。