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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第31章 《巻の参―新しい生活―》
男には懲りているとか言いながら、その実、男という生きものについては何も判ってはいないのだ。その分、余計に自分が守ってやらねばと、篤次は思うのだった。
そんなわけで、泉水は篤次には、どれだけ感謝しても足りないくらいだと思っている。
ふいにニャーと鳴き声を上げて、黒猫が足許にすり寄ってきた。丸くて、くりくりとした眼が愛らしいが、飼い猫ではない。野良猫ではあるが、どういうわけか泉水に懐き、いつしか居候を決め込んでいた。
そんなわけで、泉水は篤次には、どれだけ感謝しても足りないくらいだと思っている。
ふいにニャーと鳴き声を上げて、黒猫が足許にすり寄ってきた。丸くて、くりくりとした眼が愛らしいが、飼い猫ではない。野良猫ではあるが、どういうわけか泉水に懐き、いつしか居候を決め込んでいた。