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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第4章 《参の巻―囚われた蝶―》
泉水は涙の滲んだ瞳を二、三度またたかせた。昨夜の泰雅の所業を思い起こす度に、恐怖と哀しみがひたひたと押し寄せる。
いや、恐怖よりもやるせない絶望、哀しみの方が絶対的に大きい。泣いて抵抗する泉水を泰雅は押さえつけ、力でねじ伏せ、欲しいままにした。手込めも同然に身体を開かされ、奪われたのだ。
たとえ心から惚れた男にだとて、あんな手込めのような扱いをされたくはない。昨夜の出来事は、泉水の心身に大きな傷痕を残した。