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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第32章 《巻の四―散(ちる)紅葉(もみじ)―》
「よくも、そのようなたいそうなことが言えたものだな。そなたは自分の立場をわきまえておるのか? 泉水、そちはこの俺の、榊原泰雅の妻だぞ。直参旗本のれきとした内室でありながら、出奔、他の男と深間になれば、それは不義密通となる。この場で俺に無礼討ちにされたとて、文句は言えぬ」
「それはよく存じております。ただ、何度も申し上げますが、私は誓って、他の方と通じてなぞおりませぬ。それだけは、どうかお信じ下さいませ」
「それはよく存じております。ただ、何度も申し上げますが、私は誓って、他の方と通じてなぞおりませぬ。それだけは、どうかお信じ下さいませ」