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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第34章 《巻の壱―山茶花の寺―》
 だが、それは、いかにしても口に出来るものではない。
 泉水が笑いをこらえている傍で、光照と伊左久がそっと微笑んで頷き合う。そのことに、泉水は気付きもしなかった。
 穏やかに晴れ上がった初冬の朝のことである。
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