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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
 伊左久は、今日の客人は光照の身内だと言っていた。であれば、夢五郎は庵主光照の身内ということになる。
 考えに沈みながら、ふと視線を動かす。
 鈍色の空から風に乗って舞う花びらに気付き、泉水は眼を見開いて空を仰ぐ。今日は朝から陰鬱な冬の空がひろがっていたけれど、とうとう降ってきたようだ。
 今年になって初めての雪だ。
 風花がくるくる、くるくると風に舞い流されるように踊っている。戯れ合うかのように舞い踊る雪の花は、人にも似ている。
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