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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
村を出て以来、月のものが一度として来てはいない。そのことを迂闊にも今日まで深く考えたこともなかった。ただ、環境の激変や心理的にも色々と負担が重なったからと、安易に考えていたのだ。
「私もかつては子を生み、人並みに人の親になったことがあります。おせんどのの今の体調悪しきは恐らくは悪阻(つわり)でしょう。病気などではありません。私にも憶えのあることゆえ、傍で見ていれば判るのですよ」
光照は労るように言った。