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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
「それは、どういう―?」
 泉水が小首を傾げると、夢五郎は頷いた。
「この寺の住職は、私の母親だ」
 それは、もう随分前から、漠然とは予期していた言葉だったかもしれない。伊左久の言葉、光照のあの言葉。
―私も昔、子どもを産んだことがあります。これでも、人並に母親だったことがあるゆえ、判るのです。
 今朝、本堂で泉水に懐妊しているのではないかと告げたときの光照の科白だ。
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