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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第35章 《巻の弐―再会―》
「何ゆえ、あのような怖ろしいことをしたのか。今でも、我が身の所業ながら、そのときの自分の心持ちが判りません。恐らく、そのときの私は夜叉になり果てていたのでしょう。怖ろしいことです。良人を奪われたと、奪った女性と裏切った良人をとことんまで憎みましたが、考えてみれば、良人をそのような行為に走らせたのには、私に至らぬところがあったからでしょう。我が身の非も顧みようとせず、嫉妬に狂い、私は鬼になってしもうた。