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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第38章 《巻の壱―別離―》
 叶うならば、泉水の傍にいて、ずっと見守っていたい。泉水は男を受け容れることができない。それは何も泉水が悪いわけではなく、生まれ持った哀しい性(さが)であった。榊原泰雅は、泉水をあまりにも烈しく愛するがあまり、泉水のすべてを我が物としようとし、泉水を心身共に傷つけた。夢五郎は間違っても、泰雅の二の舞は踏みたくない。たとえ泉水に惚れてはいても、女を哀しませてまで想いを遂げようとは思わない。
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