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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第38章 《巻の壱―別離―》
弟の葬儀が済んで父から帰ってきて欲しいと頼まれたときは、一旦は断ったんだが―。江戸に戻ってからほどなく、今度は父が寝込んだのと連絡が来て、これはもう、どうしようもねえな、腹を括るときがいよいよ来たと観念したよ」
「そうですよね、夢五郎さんは綾小路さまのお家にとって、大切なお方なのですもの。弟さんを亡くされて、お父上さまもどんなにかお気落ちなさっておられでしょう。やはり、お帰りになって差し上げなくては」