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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第38章 《巻の壱―別離―》
「夢五郎さん、多分、私もあなたを好きなのだと思います。だからこそ、私はあなたを不幸にはしたくない。私が壁を越えられないことは、きっと、あなたを不幸にします。私にはそれが判っているから、あなたを巻き込みたくはない、もうこれ以上、誰も哀しませたくはないんです」
「姐さん―」
 夢五郎がわずかに眼を見開いた。泉水が直裁に自分の気持ちを伝えたことが、彼には意外だったのかもしれない。
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