この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第38章 《巻の壱―別離―》
幼い子ども告げるには、あまりにも酷い現実であった。そのときに、夢五郎は思い切って真実を告げるべきだと泉水に忠告した。あのときも、夢五郎は泉水に言ったものだ。
―良い女だよ。それでこそ、私の惚れた姐さんだ。
「ありがとう、姐さん。そこまでの言葉をくれたとなりゃア、私も男だ。ここは潔くきれいに引き下がろうって気にもなる。―なに、本音を言えば、姐さんには嫌われたくはねえ。ここでしつこく追いかけ回して、とことん嫌われちまうのは幾ら何でも惨めすぎる。
―良い女だよ。それでこそ、私の惚れた姐さんだ。
「ありがとう、姐さん。そこまでの言葉をくれたとなりゃア、私も男だ。ここは潔くきれいに引き下がろうって気にもなる。―なに、本音を言えば、姐さんには嫌われたくはねえ。ここでしつこく追いかけ回して、とことん嫌われちまうのは幾ら何でも惨めすぎる。