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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第2章 巻の壱ー槇野のお転婆姫ー
《巻の壱ー槇野のお転婆姫ー》

 泉水(いずみ)は小さな吐息をひそかに零し、そっと肩を竦めた。むろん、眼前で滔々と泣き言、繰り言を並べ立てている乳母には気づかれぬように、あくまでも細心の注意を払ってである。
「ああ、ほんに私は姫さまがお労しうござりまする」
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