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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第2章 巻の壱ー槇野のお転婆姫ー

三十六歳の源太夫はまだ若いのだと、この時、泉水は悟った。良い加減に、自分は父を解放してあげなければならない。娘として自分はもう十分な愛情を与えて貰った。これからは、父は父自身の幸せと未来を考えるべきときだと考えたのだ。幸いにも、深雪は父を任せるに相応しい女であり、しかも深雪は父の子を身ごもってさえいる。
源太夫の寵愛を受けた深雪は月満ちて男児を生んだ。その異母弟の誕生の頃から、泉水は我が身の処し方を真剣に考えるようになった。
源太夫の寵愛を受けた深雪は月満ちて男児を生んだ。その異母弟の誕生の頃から、泉水は我が身の処し方を真剣に考えるようになった。

