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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
 泰雅は気配を殺して女の様子を窺っていた。と、女が突如として下駄を脱いだ。両手できちんと揃えている。これはまずいと、泰雅は全速力で走った。
 女が川に身を躍らせようとするのと、泰雅が女を背後から抱き止めたのは時をほぼ同じくしていた。
「止せ、馬鹿なことは止めろ」
「放して下さい」
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