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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第39章 《巻の弐―黒い影―》
母君さまなれば、どんなにお辛くとも、ご辛抱なさらねばなりませぬ。それが黎次郎さまのおんためと思し召されてお決めになられたことであれば、尚更、笑うて門出を見送って差し上げられませ」
 泉水がその場にくずおれた。地に打ち伏して号泣する。
 泉水は脇坂に確かに言った。
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