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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
「馬鹿な、身重の身体で死んで、どうする?たとえ生まれてくる前の生命だとて、親の勝手にはできぬ。折角授かった生命だぞ、何故、無駄にしようとする?」
 必死に説得している間にも、女は渾身の力で抵抗した。
「あなたさまに何がお判りになるというのです。私もこの子も生きていたとて、何の意味もないのです」
 女は泣いていた。泰雅は女の身の動きを封じながら懸命に言い聞かせる。
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