この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第40章 《巻の参―出家―》
泉水はもう姫君でもなく、奥方でもない、ただの一人の俗世を捨てた尼であった。今でも泉水が水汲みをしようとすれば、すぐに飛んできて、先に重い天秤を担ごうとするし、大変なことがあれば、泉水を庇い自らが楯になろうとする忠実無比な時橋である。
だが、ただの尼となった泉水は何も時橋に仕事を助けて貰う必要はない。これからは時橋に庇われ守られるだけではなく、泉水が時橋を労り、その負担を軽くするべく、すべての仕事を肩代わりすれば良いのだ。
だが、ただの尼となった泉水は何も時橋に仕事を助けて貰う必要はない。これからは時橋に庇われ守られるだけではなく、泉水が時橋を労り、その負担を軽くするべく、すべての仕事を肩代わりすれば良いのだ。