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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第40章 《巻の参―出家―》
月の光が時橋の最期の表情(かお)を照らし出している。その表情は、あたかもうっすらと笑んでいるかのように安らかで、苦悶は微塵も刻まれてはいない。そのことが、泉水にはせめてもの救いに思えた。
その翌朝、時橋の使っていた布団の下から一通の書状が発見された。時橋は昨夜はいったんは床に入った。恐らくは眠ったふりをして夜中にこっそりと抜け出し、庭で生命を絶ったに相違なかった。
手紙はその敷きっぱなしにしてあった敷布団の下に隠されていた。
その翌朝、時橋の使っていた布団の下から一通の書状が発見された。時橋は昨夜はいったんは床に入った。恐らくは眠ったふりをして夜中にこっそりと抜け出し、庭で生命を絶ったに相違なかった。
手紙はその敷きっぱなしにしてあった敷布団の下に隠されていた。