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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第40章 《巻の参―出家―》
「そう、人は何かをなすために生まれ、御仏に与えられた人生を精一杯生きるのです。だとすれば、時橋は蓮照を守り育てるために生きていたのでしょう。蓮照、あなたこそが時橋の生き甲斐であったに相違ありませぬ。時橋はあなたという存在を得て、幸せだったに違いない。少なくとも、私にはそのように見えましたよ」
 泉水の眼に涙が溢れる。在りし日の時橋の様々な表情が蘇る。怒った顔、優しくあやしてくれたときの顔、どの表情もいつも慈しみに溢れていた。
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