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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第41章 《巻の四―岐路(みち)―》
 泉水は愕然として眼前の男を見つめた。衝撃のあまり、男の言葉さえ理解することができなくなっていた。すべての神経が麻痺しているようだ。
 この男は何を言っているのだろう。せわしなく喋っているようだが、泉水には男の言葉が何の意味を持たなかった。ただ口を動かしているだけのように見え、言葉は耳を素通りしてゆく。だが、意味は判らずとも、何かおぞましいことを口にしていることだけは本能的に判った。
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