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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
泰雅はふと顔を上げ、泉水を見た。
「だが、死にたいなんて言葉は、こういうときにはふさわしくねえな。冗談でも、死にたいだなんぞ言わねえでくれよ、泉水。そなたがいなくなったこの世なんぞ考えただけでも、俺の方が空恐ろしくなっちまう」
真顔で言う良人に、泉水はかすかに笑った。
「私は殿をお一人にはしません。だって、私がいなくなったら、殿はまた別の女のひとを好きになるのでしょう? 私はそんなのいやですもの。殿にはずっと私だけを見ていて頂きたいから」
「だが、死にたいなんて言葉は、こういうときにはふさわしくねえな。冗談でも、死にたいだなんぞ言わねえでくれよ、泉水。そなたがいなくなったこの世なんぞ考えただけでも、俺の方が空恐ろしくなっちまう」
真顔で言う良人に、泉水はかすかに笑った。
「私は殿をお一人にはしません。だって、私がいなくなったら、殿はまた別の女のひとを好きになるのでしょう? 私はそんなのいやですもの。殿にはずっと私だけを見ていて頂きたいから」