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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第43章 《巻の壱―花惑い―》
「私の心が―判らぬとな」
 予期せぬ言葉に、泉水は眼をまたたく。
「はい」
「それは、いかようなる意味か」
「は、されば、斟酌なく申し上げまする。奥方さまはお幸せにおなりになろうと思し召されれば、幾らでもお幸せになれるべき御身。なのに、なにゆえ、そうまで頑なにおなりになられるか、そのお心が私には判りませぬ」
「そなたには、私が意地を張っておるように見えるのじゃな」
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