この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
かつて脅迫して還俗させ、連れ戻した泰雅に対して、同様に脅迫で復讐を挑んできたのだった。最早、眼の前の女は泰雅が知るあの泣いてばかりいた小娘ではない。この五年で泰雅が変わったように、泉水もまた泰雅の知らぬ女になったようであった。
いや、多分、弱い生き物が身を守るすべを身につけたと言った方が良いのだろう。それは小動物がより強い獣から身を守るのにも似ている。そんな生きるしたたかさを身につけた泉水が、泰雅にはやはり見知らぬ女のように見えてならなかった。
いや、多分、弱い生き物が身を守るすべを身につけたと言った方が良いのだろう。それは小動物がより強い獣から身を守るのにも似ている。そんな生きるしたたかさを身につけた泉水が、泰雅にはやはり見知らぬ女のように見えてならなかった。