この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
あのひと言が泰雅の辛うじて保っていた理性の糸を断ち切ってしまったに相違ない。怒りと嫉妬のあまり我を忘れ激情に駆られ、泰雅は泉水を手込めにした。一晩中、さんざん陵辱した挙げ句、失神してぐったりと横たわっている泉水一人を残し、自分は江戸に戻った。むろん、すぐに迎えをよこすつもりではあったのだが―。
あのときと全く同じであった。泉水は今も泰雅を生命を賭けて拒もうとしている。
―あのときも、お前は俺を生命賭けて拒んだな。
あのときと全く同じであった。泉水は今も泰雅を生命を賭けて拒もうとしている。
―あのときも、お前は俺を生命賭けて拒んだな。