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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
「今後、殿より夜伽は不要と仰せつかりました」
 が、泉水の艶やかな笑顔を真正面から見た河嶋は言葉を失った。
―これが、あのまだどこか子ども子どもしたところがおありだった奥方さまであろうか。
 そう我が眼を疑わずにはおれぬほど、華奢な立ち姿には色香溢れていた。白一色の中で帯だけが紅いのが、更にその艶麗さを際立たせている。
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