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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第6章 《巻の壱》
泉水は怖ろしくてならなかった。泰雅によって変わった自分、ある意味で変えられた自分がこれより先、もし泰雅を失った時、その空虚さに孤独や淋しさに耐えられるかという問題であった。泰雅を本気で愛してしまった自分は、泰雅の愛を奪った女を憎み、妬むに相違ない。もしかしたら、昔呼んだ「源氏物語」の六条御息所のように生きすだまとなり果て、泰雅やその女を呪い殺そうとするかもしれない。
そんな風になるくらいなら、いっそのこと生命を絶った方がマシだ。
そんな風になるくらいなら、いっそのこと生命を絶った方がマシだ。