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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
 いつでも、どんなときでも、泉水の味方であり続けた母とも呼べるひと。時橋に逢いたかった。ずっと、ずっと逢いたいと思っていた。
「時橋、待っていて、私もすぐにそこに行くから」
 呟き、脚を踏み出そうとしたその時。
 突如として、視界が明るくなった。雲に隠れていた月が再び姿を現したのだ。
 半月が清かな光を投げかけている。
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