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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第44章 《巻の弐―反旗―》
男を生理的・身体的に受け容れることのできないこの身にとって、男に抱かれるのは苦痛以外の何ものでもない。一時の同情や憐憫で身を任せたとしたら、また、あの地獄のような日々がめぐってくるだけなのだ。
「たとえ上辺のみは俗世の姿に戻ろうと、心は変わらず、出家のままだと思うておりまする。御仏にお仕えする者が夜伽のお相手などできるはずがございませぬ。それでも、どうしてもとご無体を仰せになられるのなら、お好きになさいませ」